【サマーヒル通信】としえ先生の理科教室~超能力?!大気圧の力でボトル缶プレス~






スペシャル講師。元青山学院高等部理科教員、としえ先生。物理学修士をお持ちのスーパーリケジョ。週1回サマーヒルに在室しております。いつもの生活の小一時間、理科教室を開催してくれます。
この日は「としえ先生の理科教室~超能力?!大気圧の力でボトル缶プレス~」!
どちらの学年に対応する内容かというと、
- 4年生で「空気と水の性質」
- 小4:「水のすがたと温度」
- 中2:「圧力と大気圧の基礎」
- 中3:「水圧と浮力」「力と圧力の関係」「大気圧の実験」「空気や水と大気圧の関連性」「結合とその性質」
このあたりです。
大学の講義でいうなら「流体力学」。
大気圧って目に見えませんが、とってもとっても強い力を持っています。まずは、大気圧の強さを知ろうということで、取り出しましたのは、コップと厚紙とお水。
まずはコップに水をいっぱいに入れます。こぼれる寸前スレスレの量です。続いて、この状態のコップに厚紙でフタをします。厚紙は乗せるだけ、テープで留めたりしませんよ。
さてでは、このコップを逆さにしますよ~!
「え!!!こぼれるでしょ?!!」生徒たちは、水がこぼれて大惨事になると予想して後ずさり。
そーっとコップを逆さにしましたら、、、、
あれ。。。。???
水はこぼれません。厚紙はコップの淵にくっついたままです。テープで留めていませんよ。コップを横に倒しても水はこぼれません。
あれえ…なんでーー‥‥。
全員不思議そうなお顔で、逆さにしてもこぼれないコップの水を凝視。
なんでこぼれないと思う?はい、蓋が大気圧に押されているからなんですね。
大気圧は力がとっても強く、10メートルの高さ分の水を支える力を持っているんですよ。これは地球上どこでも一緒。コップのサイズが大きくても一緒。
さてお次の実験は。
キャップつきアルミボトル缶の中を真空に近い状態にし(飽和水蒸気のみ)、外の大気圧で缶をつぶす実験。
まず、キャップつきのアルミボトル缶に、水を少し入れて火にかけ沸騰させます。
ボトル缶の中は、入っていた水が沸騰して水蒸気でいっぱいになるため、もともと入っていた空気が外に押し出されます。
その状態でボトル缶のキャップを閉め、火から遠ざけます。
すると、、、ボトル缶がパキパキ音を立てながら、ひとりでにプレスされてへこんでいきました!
わあああああああ!!!!!
みんなびっくりして後ずさり。
水蒸気が冷えると水に戻りますよね。キャップが閉まっているので、水蒸気でいっぱいだった空間に空気が戻らず、ボトル缶の中は真空に近い状態になります。
缶の外の大気圧のほうが強くなるため、押されて、缶がつぶれる、そんな仕組みなんですね。


