【サマーヒル通信】としえ先生の理科教室~大気圧を理解して巨大マシュマロを作ろう~








スペシャル講師。元青山学院高等部理科教員、としえ先生。物理学修士をお持ちのスーパーリケジョ。
週1回サマーヒルに在室しております。
いつもの生活の小一時間、理科教室を開催してくれます。
この日は「大気圧を理解して巨大マシュマロをつくろう」!
どちらの学年に対応する内容かというと、
- 4年生で「空気と水の性質」
- 小4:「水のすがたと温度」
- 中2:「圧力と大気圧の基礎」
- 中3:「水圧と浮力」「力と圧力の関係」「大気圧の実験」「空気や水と大気圧の関連性」「結合とその性質」
このあたりです。
これまで、ものや空気の密度について、密度の違いによる重さの違い、そんなことをいろんな実験をとおして学びました。今回は、空気の重さによる圧力=「大気圧」について取り上げました。
まずは基本。本日は小4と小5ふたりだったので、この子たちに合わせた単語を使ってお話ししました。
空気は気体の分子(つぶつぶ)が集まってできています。このつぶつぶがたくさん集まっている空気は「気圧が高い状態」、つぶつぶが少ない空気は「気圧が低い状態」。
地面から離れた空の高いところは空気が薄く、気圧が低く、地上の方が気圧が高いですよ。エレベーターで高層階に上ると耳が痛くなるでしょう。耳には鼓膜という薄い膜があって、ここで音=振動を感知して聞こえるしくみになっていますが、この鼓膜の内側には鼓室という小さな空間があります。この部屋は鼓膜が壁になって外の空気は入ってこれないようになっているため、中の気圧は変わりません。その状態で気圧が低いところに行くと、耳の中の気圧のほうが高くなるため、中から外に向かう圧力が強くなります。耳の内側の空気のつぶつぶが耳の鼓膜を外に向かってバシバシと押すんですね、だから耳が痛いと感じます。
「気圧の差によって押される」
この原理を上手に使ったものが「吸盤」。はい、よくぺたぺた壁にくっつけて利用するあれですね。あれは、丸型の中の空気を壁に押し付けて、接地面の空気をなくすことで、元空気があった丸型部分が、外から押される力の方が強くなり壁にくっつくという原理。なんとなんとなんと!!!!
さて。
この「気圧の差」をわかりやすく実験して理解しましょう。
まずは、密閉されたガラス容器の中に入れたしぼんだ風船。ガラス容器の空気を抜いていきますよー。
筋トレばりに空気を抜くポンプが重たく、交代で吸気。するとーー
だんだんと中の風船が膨らんできました!!!
おおおおおお
このあたりから、最初は退屈そうにしていた小4くんが前のめりになってきましたよ。
風船の中の空気のつぶつぶの量よりも、風船の外の空気のつぶつぶの量が減ったので、風船の中から外に押される力が働き風船がふくらんだ。ということね。
続いて、個包装されたお菓子。こちらも同様に、ガラス容器の空気を抜いていくと、お菓子の袋が膨らみました!
ではラスト!!登場したのはマシュマロ。まずは1個ずつ食べて…おいしーい♥
マシュマロは、空気を含んだ構造になっているんですよね。同様に、マシュマロを中に入れたガラス容器の空気を抜いていくと、、、、、マシュマロがふわふわ~~~~っと大きくなりました!!!!
2人とも大喜び!!交代で吸気をがんばり、ぱんぱんに膨らんだマシュマロをみてにっこにこ。空気を抜いたら今度はマシュマロはしぼんで大笑い。
「気圧の差」による、ちょっぴり美味しい実験、大成功でした。


