【サマーヒル通信】としえ先生の理科教室~光の正体は?横波・反射・偏光~

スペシャル講師。元青山学院高等部理科教員、としえ先生。物理学修士をお持ちのスーパーリケジョ。週1回サマーヒルに在室しております。いつもの生活の小一時間、サイエンス教室が開催されます。

この日は「光の正体は?横波・反射・偏光を体験しよう~!」ということで「光」がテーマでした。

どちらの学年に対応する内容かというと、

  • 小5:「光の性質」
  • 中1:「光の性質」
  • 高校物理

このあたりで登場します。

小学校でも「光」は5年生の理科で学ぶ重要な単元です。

扱うのは「光の直進・反射・ものの見え方・影・凸レンズ」など、基本的かつ観察しやすい性質。

「横波としての光」や「偏光板を使った実験」は小学校では扱わず、中学以降の発展的な内容になります。

この日は小4・小5・小6の生徒が参加しました。

前回の復習。「地震の波」はP波(縦波)とS波(横波)があることを確認。

本日は「光」。光も波で「横波」なんですよ。

では光ってなあに?

光を自分で出すものは、光源(こうげん)と呼びます。たとえば太陽や照明などね。

では「見える」ってどういうことか?

暗くした部屋の中で、黒い箱におもちゃを入れて観察しました。明かりがないと、おもちゃは目に見えません。でも、光を当てると見えるようになります。

「そりゃ明るくしたら見えるでしょ」「見えるんだから見えてるんだよ」

当たり前の現象を説明されて、つっこみもたくさん。先生何言ってるの?ぽかーんとする子もいました笑
でもこれが「見える」ということ。物体が見えるのは、光が物体に反射して、反射した光が目に入ってくるからなんですね。月の光がまさにそれ。月は自分で光を出しているわけではなく、太陽の光が月に当たって反射しているから明るくみえます。

わかったかなあ?

続きまして。光の模型を使って、光の波の動きを再現しました。光は横波なので、進行方向に対して垂直方向に振動していることがポイントです。

ふうん…。。。。。難しくなってきたね笑 小学生で波はまだ習いませんからね。

さて、光は横波なんだよねを頭に入れて、一人ずつ渡されたのは2枚の反射板(偏光板)。2枚の偏光板を使って、光が通らないように偏光板の向きをいろいろ変えてみるチャレンジ!いろいろな角度にしてみて、光が見えたり消えたりするのを体験しました。

偏光板とは、光を特定の一方向にだけ振動する状態に整える(偏光させる)光学部品です。自然光のようにあらゆる方向に振動する光に対して、偏光板は通過する光を特定の方向に振動する光(直線偏光)のみに制限するフィルターのような役割を果たします。身近なのはサングラスや、PCやスマホのフィルムシート。画面の盗み見を防止する、自分にしか見えなくするためのあれです。
さて、偏光板の実験にもどりますと、大事なのは、波の振動方向と格子の向き。波が偏光板の格子の向きに対して平行だと光は通り抜けて目に見える、反対に、垂直だと光は遮られて目に見えなくなります。つまり、2枚の偏光板を垂直に重ねると、光は通らないのですね!

言われたとおりに2枚重ねてみて、「あ。みえない…」。生徒たちは不思議そうに、さらに角度をくるくる変えていました。

ではみなさん、最後は応用編として、パソコンやテレビのモニターを偏光板で見てみましょう!

モニターの光はすでに特定の方向に偏光しているため、偏光板の角度を変えることで、画面が真っ暗になる瞬間があります。

生徒たちは楽しみながら、光の性質を実感できた様子でした!

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